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製作体験の見本
製作体験では、10センチ角の真鍮(しんちゅう)の板に
好きな絵をかいてもらい、
コンクリートくぎの先を丸めて作った 《たがね 》
を打ち込んでミニレリーフを作ってもらいます。 真鍮(しんちゅう)は、銅と亜鉛(あえん)
と言う金属の合金(溶かしてまぜて作る)で、
5円玉はこれで作られています。
10円玉は銅です。
仏壇の金物は銅や真鍮でつくって、
金めっきをしたり、着色をしたりして仕上げますが、
製作体験では、研磨剤(けんまざい=みがく薬)
で、ピカピカにみがいてもらいます。
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障子金具(しょうじかなぐ)
仏壇の中のとびらに打つ金物です。
とびらを折り曲げて開けられるように
蝶番(ちょうつがい)になっているものと
かざり用の物があります。
型によって枚数が違うので160枚〜280枚ぐらいです。
これは、銅板で作って、金めっきをしてあります。
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高座金具(こうざかなぐ)
お坊さんが座る座の錺金具。
前・後ろ・横全部うつので52枚。
☆伝統的工芸品に指定されるのには
次の5つの条件があります。
1.主として日常生活で使われるもの。
2.ほとんどの作業を手でやっている。
3.昔から(100年以上)前からの作り方で作る。
4.昔から使われている材料を使う。
5.一定の地域で作られる。
この5つの条件どうりに作られていて、
品質も大丈夫かどうか、検査員がきびしく調べて、
合格したものが伝統的工芸品とみとめられます。 |
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狭間塚(さまづか)・おさ塚・天井金具
仏壇には、両横に2本〜6本、太い柱がついています。
さま塚・おさ塚はその上の短い柱で、16〜24枚。
天井は、仏壇に頭をつっこんで見上げないと
なかなか見えませんが、たくさんの
木の部品をつかって格子(こうし)状になっていて、
そのまじわった所に打つ金具で、160〜240枚ぐらい。
仏壇はお寺を見本に作っているので、
大きさがちがうけど、いろいろな部品のデザインは
お寺とだいたいいっしょです。
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須弥襞(しゅみひだ)・海老塚(えびづか)
小柱(細い柱)の下の台の金物で、148枚〜160枚。
他の産地の仏壇 は打たないところもあります。
どれも同じように見えるかもしれませんが、
それぞれ角度や幅や曲げ方が違うので、
作るのも分別するのも手間がかかります・・・
☆平成19年3月現在、経済産業大臣が指定する
「伝統的工芸品」は全国に210品目あります。 |
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須弥縁金具(しゅみぶち)
上の写真の台の上下に付く金物で53〜90枚ぐらい
☆仏壇で伝統的工芸品に指定されているのは
山形仏壇 (山形県)
新潟・白根仏壇 (新潟県)
三条仏壇 (新潟県)
長岡仏壇 (新潟県)
飯山仏壇 (長野県)
名古屋仏壇 (愛知県)
三河仏壇 (愛知県)
金沢仏壇 (石川県)
七尾仏壇 (石川県)
彦根仏壇 (滋賀県)
京仏壇 (京都府)
大阪仏壇 (大阪府)
広島仏壇 (広島県)
八女福島仏壇 (福岡県)
川辺仏壇 (鹿児島県) の15産地です。
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長押(なげし)・長押下場・戸当たり金具
上のほうに打つ金具で、合わせて19〜26枚
質 仏壇は何人でつくるのですか?
答 三河仏壇は八職(はっしょく)といって、
木地師 (きじし) 木で本体を作る人
屋根師(やねし) 木で屋根を作る人
塗り師(ぬりし) 漆(うるし)で塗る人
箔押師 (はくおしし) 金箔(きんぱく)をつける人
蒔絵師(まきえし) 漆や箔や貝をつかって絵をかく人
金具師(かなぐし) 銅や真鍮で金物を作る人
彫刻師(ちょうこくし) 彫刻を彫る人
組立師(くみたてし) 部品を集めて組み立てる人
(箔押師や仏壇屋さんがします)
の8種類の職人さんが力を合わせて作っています。
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小柱(こばしら)金具
仏壇の中央に立っている
たくさんの細い柱に打つ金物で、
120枚〜220枚ぐらい。
いろいろな太さがあったり、丸じゃなくて
四角や台形の場合もあるので、
本体に合わせて 作ります。
柱の本数も 型によって違います。 |
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段廻り
仏壇の部品にはそれぞれ名前が付いています。
ざっとあげてみると、
障子・ 狭間(さま)・長押(なげし)・半丸・中柱・小柱・
須弥檀(しゅみだん)・上段・下段・上々段・戸当たり・
引き出し・一帖 ・天井・高座・腰木瓜(こしもっこ)・
目板・戸裏・屋根・高欄(こうらん)・唐戸(からと)
破風(はふ)・虹梁(こうりょう)・手先・桝組(ますぐみ)・
地瓦(じかわら)・鬼板・桁(けた)・角木(すみき)・
肘木(ひじき)・海老塚(えびづか)・甲板・股足・
平桁(ひらげた)・大斗・小斗・後門板・雨戸・ごみ受け・
台輪・敷き台・地覆(じふく)・八双・・・・・・・・・・・
細かく分けると、もーーっといっぱいあります・・
・・・いやーになっちゃうぐらい いっぱいあります・・・・
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☆愛知県で伝統的工芸品に指定されているのは
有松・鳴海絞 (染色品)
名古屋友禅 (染色品)
名古屋黒紋付染 (染色品)
赤津焼 (陶磁器)
瀬戸染付焼 (陶磁器)
常滑焼 (陶磁器)
名古屋桐箪笥 (木工品)
名古屋仏壇 (仏壇・仏具)
三河仏壇 (仏壇・仏具)
豊橋筆 (文具)
岡崎石工品 (石工品・貴石細工)
尾張七宝 (その他工芸品)
の12品目です。
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屋根・唐戸(からと)
小柱の上の、木の部品がいっぱいついている所を
屋根といい、唐戸(からと)はおくの小さなとびらです。
合わせて140〜200枚ぐらい。
屋根師さんが作った 《屋根》 の形に合わせて
型紙を作ってから金物を作るのですが、
ふくざつな形が多いので、作るのが大変です・・
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高欄(こうらん)
お寺に行くとある、手すりみたいなもの。
ちいさな金物ばかりで、 80枚〜100枚ぐらいです。
製作体験では、クギの先を丸くけずったものを
打ち込んで絵を彫金していきますが、
金物をつくる職人は、鉄の棒の先を
いろいろな形にけずって 《タガネ》 をつくり
《タガネ》 をつかって もようを彫ったり
切断したりして金物を作ります。
たくさんの 《タガネ》 を使いますが、
やる作業は みなさんが体験学習で行う
作り方とだいたい同じです。
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戸裏(とうら)
仏壇の外側のとびらの裏に打つ金物で、
40枚〜80枚。
幅が広いので、いろいろなデザインや
模様を考えやすいです。
仏壇の金物の模様は
植物・雲・鳥・波・龍・獅子・楽器や
きかがく模様
(三角形・方形・菱形・多角形・円形などを
素材とする模様のこと。)
などを取り付ける場所にあわせて
デザインします。
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半丸・中柱
仏壇の中の両ワキに立っている
太い柱の金物で、 140〜200枚ぐらい。
この写真は、金めっきをする前の状態です。
銅板で作ったので、10円玉と同じ色です。
以上が、仏壇の中に打つ 《内金具》 で
外側に打つ 《外金具》 と合わせると
少ないものでも 1000枚ぐらい
多いものだと 1800枚ぐらいの金物が
仏壇に取り付けられています。
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この高欄(こうらん)の金具は、大きな仏壇用ですが、
小さな 仏壇用だと、幅2ミリぐらいの金物もあり、
その中にワクの線を打って、模様を彫らないといけないので
集中して作業をしないと失敗しそうになります・・
釘穴が少しずれただけでも金物がちぎれてしまいます・・
私は金具師なので、金物を作るだけですが、
この作った金物を取り付ける組み立て師さんも、
小さすぎて持つのも・打つのも大変みたいです・・・
これら金物を取り付けるクギは
銅や真鍮で出来ていて、
そのクギにも金めっきがしてあります。
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お寺や神社の屋根につける金物とくらべると
こんなに大きさがちがいます。
このように、いろいろな 大きさ・形・模様の
金物を、取り付ける場所に合わせて、
一枚一枚 手作りで作るのが、
かざり金具師のお仕事です。
他にも、いろいろな職人さんや
伝統的工芸品がありますので
調べてみると面白いと思います。
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体験学習では、彫金の他に
《蒔絵》 と 《彫刻》 と 《金箔》 も行っています。
私は錺金具師なので、蒔絵は上手に描けませんが
ためしにちょっとかかせていただきました。
蒔絵の体験学習ではこんな物を製作します。
(プロの蒔絵師さんがかいた見本は
もっと上手です。・・・あたりまえですが・・・・)
左下は金箔押し。まあまあ上手に出来ました。
右の2つのストラップは塗りの研ぎ出しです。
小さくくだいた青貝がいっぱいうまっていて
キラキラとキレイに光ります。(^・^)
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